学期末の通知表が届き、お子さんの成績に一喜一憂されていることでしょう。担任の所見を見て、「こんな一面があるなんて…」と嬉しく感じることもありますよね。そして、次に目にする「家庭から」の欄。ここには何を書けばいいのかと悩むこともあるかもしれません。
周りの保護者がどうしているのかも分からず、相談も難しい…そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。実際、「家庭から」はたった数行のスペースでも、その内容に悩んでいる方が多いのが現実です。
この記事では、書き方のコツや文例を30個ご紹介しますので、もう悩むことなく、素敵な文章が書けるようになりますよ。
小学校の通知表「保護者からの一言」何を書けばいいの?
結論から言うと、通知表の「家庭から」に書く内容は特別な決まりはありません。自由に書いてOKです。ただし、「子どものためになる文章」を心がけることが大切です。
確かに、何を書けば良いのか分からなくなるかもしれませんが、常識の範囲内であれば、書く内容は自由です。しかし、子どもの成長をサポートできるような内容にするためのポイントはあります。
「保護者からの一言」でついやりがちNGな書き方
「家庭から」に書く内容は自由ですが、避けるべき表現もあります。意外とNGな書き方をしてしまっている家庭も多いのです。
毎年、クラスの10~20%の家庭が陥っていると感じています。悪影響を避けるためにも、内容には十分な配慮が必要です。
NG例:
- 「家に帰ってから宿題もせず、ゲームをしてしまいます」
- 「お菓子を食べてダラダラすることも多く、好きなことにしか集中できません」
- 「もう少し勉強を頑張ってほしい」
- 「宿題をやっているのか自分から見せに来ません。ちゃんとやっているのか不安ですが、2学期は頑張ってほしい」
これらの表現は、実際に多くのお子さんに見られる状況かもしれませんが、「家庭から」に書くのは少し躊躇する内容です。マイナスな表現が多くなると、お子さんが傷ついたり、担任にとっても有益な情報にならないことが多いです。
通知表にマイナスな言葉を避ける理由
通知表にマイナスな言葉を避ける理由は、次のようなことが考えられます。
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お子さんへの影響
お子さんは休み明けに自分の通知表をチェックすることがよくあります。その際、否定的な言葉やマイナスな表現を見てショックを受けることがあるため、できるだけ穏やかな言葉を使う方が良いです。 -
担任への影響
「家でダラダラしています」と書かれても、担任はそれを改善するために何かできるわけではありません。それよりも、お子さんのポジティブな面に焦点を当てた内容を書く方が、担任のサポートにもつながります。 -
親の印象を避ける
「ダラダラして宿題をしません」と書くことは、親のしつけに問題があるように受け取られることがあります。こうした内容は家庭内で改善するべき事項として、通知表に書くのは避ける方が賢明です。
通知表に要望を書くのはNG
通知表には要望を書くのは適切ではありません。通知表は一方的な連絡手段であり、教師がすぐに読まない場合もあります。
また、要望を伝える場合は、連絡帳や電話などの別の方法を使う方が効果的です。通知表はあくまでお子さんの様子に関する内容を書きましょう。
初めての通知表も安心な「家庭から」おすすめ文例集!
通知表の「家庭から」は、基本的に 担任の先生への感謝や、お子さんの成長、学校での様子 を書くのがベストです。
さらに、 所見の内容を踏まえる、家庭での成長を伝える、先生の関わりに感謝する などの要素を取り入れることで、より良い文章になります。
おすすめの書き方&文例
① 担任の所見の内容を踏まえた文例
担任の先生が所見で記載してくれた内容を受けて、「家庭でも気をつけていること」「成長を実感していること」を書くと、先生にも伝わりやすくなります。
▼ 文例
- 「○○が苦手な様子ですが、二学期は少しでも自分から発言できるようになってほしいと思います。引き続きご指導よろしくお願いいたします。」
- 「先生の所見にもありましたが、最近は自分の気持ちを言葉にして伝えられるようになってきました。引き続き家庭でも見守っていきたいと思います。」
- 「○○が好きで、学校でも楽しんでいる様子が分かり嬉しいです。家庭でも引き続き応援していきたいと思います。」
💡 ポイント:
- 担任の先生の所見とリンクさせると、より良い印象を与えやすい
- 成長を喜びつつ、家庭での取り組みを書くとベスト
② お子さんの長所と短所をバランスよく伝える
お子さんの 良い面を認めながら、改善したい点にも軽く触れる と、バランスの取れた文章になります。
▼ 文例
- 「明るく誰とでも仲良くできる性格を活かして、二学期も楽しく過ごしてほしいと思います。一方で、自分の考えを伝えるのが少し苦手なようなので、少しずつ自信を持てるようにサポートしていきたいです。」
- 「楽しいことが大好きで、友達と笑顔で過ごしている様子を嬉しく思っています。その中でも、もう少し周囲を気遣えるようになれるといいなと思います。」
💡 ポイント:
- 長所をしっかり伝えつつ、短所は前向きな言葉で表現する
- 否定的な言葉ではなく、「伸びしろ」として書く
③ 家庭でしか分からない一面を書く
先生が知らない 家庭での様子やエピソード を書くと、お子さんへの理解が深まり、より良い指導につながります。
▼ 文例
- 「日直や給食当番の日は、前日からずっと楽しみにしています。『明日は頑張るぞ!』と張り切っている姿が印象的です。」
- 「図書館で本を借りるのが好きで、帰宅後も熱心に読んでいます。本を通じてさらに好奇心が広がるといいなと思います。」
- 「家でも学校の出来事をよく話してくれ、楽しく過ごせているようで安心しています。」
💡 ポイント:
- 先生が知らない、家庭での良いエピソードを書く
- 学校の様子とつながるような内容がベスト
④ 担任の先生の言葉や行動への感謝を伝える
先生への感謝を伝えると、好印象を持たれるだけでなく、先生自身の指導の参考にもなります。
▼ 文例
- 「発表会の本番で、先生に『大丈夫だよ』と声をかけてもらえたことが嬉しかったようです。おかげで自信を持てたと言っていました。」
- 「いつも温かく見守っていただきありがとうございます。○○は先生のことが大好きで、よくお話を聞かせてくれます。」
- 「学校での様子を細かく見ていただき、成長を感じられる所見を書いてくださりありがとうございます。」
💡 ポイント:
- 「子どもが嬉しかったこと」 を書くと、先生も励みになる
- 先生の行動を具体的に書く と、より伝わりやすい
「家庭から」の具体的な文例集
【書き出し】
- いつも温かいご指導ありがとうございます。
- たくさんの励ましのお言葉をいただき、感謝しております。
- 1学期、○○が楽しく学校に通えたことを嬉しく思います。
【内容】
- 学校での出来事をよく話してくれるので、毎日楽しく過ごせているようで安心しています。
- お友達との関わりが増え、自分なりの楽しみ方を見つけているようです。
- 学校での経験を通して、少しずつ自信をつけているように感じます。
- 家に帰ると、「今日は○○ができた!」と嬉しそうに話してくれます。
- 先生に優しく声をかけていただいたことが、とても励みになったようです。
- 運動会で○○を頑張れたことが自信になったようです。
【締め】
- 2学期もどうぞよろしくお願いいたします。
- 今後も○○が成長できるよう、家庭でもサポートしていきます。
- これからも温かいご指導をよろしくお願いいたします。
まとめ
通知表の「家庭から」には、特に決まった書き方はありませんが、どうせなら お子さんの成長を支え、先生にも良い印象を与える内容 にするのが理想です。
書く際のポイントは、
- マイナスなことを書かず、ポジティブな表現にする
- 担任の所見を踏まえた内容にする
- 家庭での様子や成長を伝える
- 先生のサポートに感謝を伝える
例えば、「学校の出来事をよく話してくれるので安心しています」 など、前向きな言葉を選ぶと良いでしょう。
また、要望は通知表ではなく、 連絡帳や面談で伝える のが適切です。
「家庭から」を通じて、子ども・学校・家庭のつながりを深めることで、より良い学びの環境を作る手助けになるでしょう。