「もとより」という言葉を耳にしたことはありますか?この表現は「最初から」や「当然」といった意味を持ち、文章の中で既知の事実を強調する際に使われます。しかし、フォーマルな場面で目にすることが多く、正しい使い方を知らない人もいるかもしれません。
この記事では、「もとより」の語源や適切な使用方法、さらには類義語との違いについて詳しく解説します。例文を交えながら、日常やビジネスシーンでの活用方法も紹介していきます。
「もとより」の意味とは?ビジネスではどういう意味?
「もとより」は、「初めから」「当然」という意味を持つ言葉です。もともとの語源は、「もと」(基本や起点を示す言葉)と、時間の起点を表す「より」が組み合わさったものです。
この表現が使われる場面としては以下のようなものがあります。
- ある事柄が最初から存在していた場合
- 言うまでもなく明らかである場合
- 確認や強調の意味を持たせたい場合
特にフォーマルな文書やスピーチなどで使われることが多いですが、日常会話にも応用可能です。
「もとより」の使い方と例文
「もとより」を適切に使うことで、文章の表現がより洗練されます。具体的な例を見てみましょう。
- 例文① この映画は、もとより国内外で高く評価されています。
- 例文② 当社は、社員はもとより、お客様にも最高のサービスを提供することを目指しています。
- 例文③ もとより期待していなかったため、結果にも驚きませんでした。
- 例文④ 家族はもとより、友人も私にとって大切な存在です。
- 例文⑤ 彼は日本語が得意で、もとよりフランス語も流暢です。
このように、「もとより」は幅広い場面で活用できます。
「もとより」の類義語と使い分け
「もとより」と似た意味を持つ表現として、以下の言葉があります。
- 当然(自然な成り行きでそうなること) 例:この結果は、努力したのだから当然だ。
- 元々(はじめからそうであること) 例:彼は元々絵を描くのが得意だった。
- そもそも(事の起こりや理由を考える時) 例:そもそも、その企画は現実的ではなかった。
- はじめに(最初の部分や行為を指す) 例:はじめに、自己紹介をお願いします。
これらの表現を適切に使い分けることで、より正確な伝え方が可能になります。
「もとより」と「もちろん」の違い
「もとより」と「もちろん」は似ていますが、使い方には違いがあります。
- 「もとより」:ある事柄が最初からそうであることを示す。
- 「もちろん」:自明のことを強調する際に使う
たとえば、「このプロジェクトは、もとより成功が期待されていた。」は「最初から成功が見込まれていた」ことを示します。
一方、「このプロジェクトは、もちろん成功した。」は「成功は当然である」ことを強調しています。
英語で「もとより」はどう表現する?
「もとより」は英語では 「of course」 に相当することが多いです。
- of course(当然、言うまでもなく) 例:Of course, he was chosen as the leader.(もちろん、彼がリーダーに選ばれた。)
ただし、文脈によっては「naturally」「from the beginning」といった表現が適している場合もあります。
「もとより」の対義語は?
「もとより」に明確な対義語は存在しませんが、反対の意味を持つ表現として「例外的に」「意外にも」「思いがけず」などがあります。
子供向けに「もとより」を説明するには?
「もとより」は、「もともとそうだったこと」や「当たり前のこと」を言うときに使う言葉だよ。
たとえば、「このゲームは、日本でも海外でも人気があるのは、もとより知っているよね。」といえば、「みんなが知っていることだよね!」という意味になるんだ。
この言葉は、少しかしこまった話し方の時に使われることが多いけど、日常の会話でも使えるよ!
まとめ
「もとより」は、「初めから」や「当然」という意味を持ち、既知の事実を強調する際に使われる表現です。フォーマルな場面や文章でよく用いられ、類義語として「当然」「元々」「そもそも」「はじめに」などがあります。
「もとより」と「もちろん」は似ていますが、「もとより」は物事の起点を示し、「もちろん」は自明の事実を強調する点で異なります。また、英語では「of course」と訳されることが多いですが、文脈によって適切な表現が異なります。
この言葉を使いこなすことで、文章の説得力が増し、フォーマルなコミュニケーションでも効果的に伝えられるようになります。適切な場面で活用し、表現の幅を広げましょう。